サグ出し・やり直し。

 
先日UPした、FZ1のサスペンションのサグ出しの記事ですが、
大きな思い違いをしていました。
やり直したので、その件について書いていきます。
前の記事に補足しようかとも思ったのですが、とても補足で書ききれないので。
 
・・・の前に、
 
 
 
 
 
ザクとはぁ~!!!!
 
 
はい。お約束ですね。
前回書き忘れたのでね。
やっぱり一回くらい言っておかないとね。
 
 
さて、前回何を間違えたかと言うと、
0G・1Gの取り方は合ってます。
その後の1G´の、目差すべき数値、と言うか考え方を間違えてました。
 

 
 
まず、サスペンションにはダンパーストロークと、
ホイールトラベルと言う物があります。
ダンパーストロークは、サスペンション自体が動く、最大値。
ホイールトラベルとは、サスペンションの動きに寄って、
前後ホイールが動く、最大値。
FZ1の場合、ダンパーストロークとホイールトラベルは、それぞれ、
フロント130mm/130mm  リヤ60mm/130mm 
となっています。
 

 
 
私のFZ1は、リヤにオーリンズを入れている為、この数値が少し変わってきます。
リヤ67mm/145mm 
となります。
 

 
 
サグ出しは、上記のホイールトラベルの数値の約30%が、
1G´の時に沈み込むようにするのが正解。
つまり、私のFZ1の場合、
フロント130mm×30%=39mm
リヤ  145mm×30%=44mm
この数値分、1G´の時に沈み込むようにセッティングします。
 
では、セッティングして行きましょう。
まず、前後とも0Gを測ります。
フロント137mm(実測) リヤ516mm でした。
ここから上記の沈み込む分を引いて、
フロント98mm(実測) リヤ472mm になるように合わせます。
 
ですが、前の記事をよく読んでもらうと分かりますが、
リヤはプリロードを最弱にしても、この472mmまで沈み込みません。
プリロード最弱での数値は、496mmです。
516-496=20となり、予定の44mmよりも22mmも足りません。
 
とりあえず、リヤは仕方ないので、フロントに移ります。
フロントは、前日のプリロード最弱の状態。
一応これで1G´を測ってみます。
100mmでした。
137-100=37で、39mmに近い数字ですね。
 
じゃ、フロントはこれでOK!リヤは仕方無いよね~。
 
お終いお終い。
 
 
・・・にはならないんですよ。
このままだと、バイクの車体姿勢が崩れたままになります。
では、どうするのか?
一番の解決方法は、
リヤのサスペンションのバネレート(スプリングレート)を下げて、
もっと柔らかい物に交換する事です。
ですが、実際はそれは簡単な事じゃありません。
では、どうしましょう?
となると、今付いてるサスペンションで、
出来る限り姿勢バランスを取ってみるんです。
 

 
 
さて、上記でリヤのバネレートが高過ぎて、
私の体重では規定値まで沈み込みませんでした。
そこで、リヤのホイールトラベルに対して、
どのくらいの割合沈み込んだかを計算します。
リヤのホイールトラベルが145mmで、沈み込みは20mmです。
20÷145=0.137 
30%が理想なのに、13.7%しか沈み込んでません。
では、これに合わせてフロントも13.7%の沈み込みにセッティングします。
こうすると、バイクの姿勢は正常に保たれます。
 
まずは上記プリロード最弱での沈み込みの割合は、
100÷137=0.729
100-72.9=27.1%の沈み込みと、通常であれば理想の数値。
ですが、今は目指すは13.7%です。
一旦メーカー出荷時のプリロード5.5にして、測ってみます。
トラベルは104mmでした。
これを計算すると、
104÷137=0.759
100-75.9=24.1%の沈み込みと言う数値に。
まだまだ沈み込み過ぎです。
一気に、プリロード最強の1にまでしてみます。
トラベルは110mmでした。
110÷137=0.802
100-80.2=19.8%にまでなりましたが、まだ足りません。
ですが、これ以上フロントにプリロードを掛けるのは無理。
 

 
 
ここでふと考えて、
私の実測ではフロントのトラベルは137mmでしたが、
メーカーでは130mmになっています。
試しに130mmでプリロード最強の数値を計算してみると、
110÷130=0.846
100-84.6=15.9%になりました。
先ほどの19.8%に比べると、13.7%にグッと近づきました。
 
これ以上の調整は無理ですから、一応これでOKとしました。
 
早速、家の近所を試走。
 
・・・めっさ違和感あるんですけど~~。
 
そりゃあそうです。
今までとはまったく違うプリロードになってますから。
今までとは違い、フロントの沈み込み感が薄く、曲がって行かず、
フロントがすくわれそうになります。
今まではかなりフロントが切れ込むセッティングだったので、余計にそう感じます。
まあ、まだ伸びも圧も弄ってませんからね。
 

 
 
サスのサグ出しは、無理やりながらも一応の完成を迎えました。
ですが、やはりリヤのバネレートが高過ぎるようです。
本来なら、オーリンズのスプリングをレートの低い物に変えるべきでしょう。
一年前に前後サスともOHをしたので、
その時にこの事実に気付いていればと思います。
フロントも最弱で1G´だったので、
少しレートを落とした方が良いのかもしれません。
また、ここまでリヤが沈み込まなかったのは、
私のFZ1は、リヤはマフラー交換・タンデムステップ除去で軽量化していながら、
フロントはアンダーカウルやステーなどで、重くなっています。
また、ポジションもかなり弄っていて、普通よりもかなり前傾になっており、
重心バランスが狂って、リヤから荷重が抜けたせいもあると思います。
また、噂によると、07モデルは06モデルよりもバネレートが低いとの事。
そうなると、06モデルを元に作られたオーリンズのリヤサスは、
07以降に付けると、そのままでは車体バランスが崩れる事になります。
まあ、これはよく調べてみないと分からない話ですけど。
 
一通りのサグ出し作業を終えて、雑誌のサスの記事を読んでみました。
すると、今までよく分からなかった事も、少し分かった気がします。
アンチスクワットの事。
以前会った人の言ってた、「オーリンズは硬い」の意味。
スプリングプリロードの本当の意味。
頭では、プリロードはサスペンションを硬くする物じゃない、車体姿勢を作る物、
とは分かってるのですが、いろいろやってみて、ようやく実感出来ました。
ただし、体重や乗車位置も人それぞれ違うのに、
プリロードの位置はここ、と決め付けて掛かる雑誌の記事には、
かなりの不信感です。
今すぐにスプリング交換は無理ですが、
次のOHの時にでも、検討してみたいと思います。
 
 
 
今回のSpecialThanks
 
 
まめ太郎さんのブログ 
 
FZ1乗りのサスペンションセッティングの師匠です。
理解の遅い私に、親切丁寧に何度も教えてくれました。
 
 
赤羽さんのブログの記事 
 
同じFZ1乗りであり、オーリンズユーザーです。
バネレートの考察が大変参考になりました。
 
 
今回は人に支えられて、無事成し遂げられました。
ありがとうございました。
 
皆さんもサスペンション弄ってみては如何ですか?
 
ちゃんとした手順を踏めば、壊れる物ではないし、
分からなくなったら元に戻せば済む話です。
 
少し弄っただけで、その違いにビックリする筈です。