南アルプス縦走・その5。

8月15日。南アルプス縦走の5日目。
最終日となるこの日は、ちょっと慌しい。

テントを張ったまま身軽で仙丈ケ岳に登るのは、前日の甲斐駒ケ岳と同じですが、
下山後テントを撤収してバスで下山する為、その時間が重要となります。
帰路は安い高速バスを予約してある為、
PM4:15には伊那市駅近くのバスセンターに行かなくてはいけません。

伊那市駅までは、
北沢峠から登山バスで仙流荘、仙流荘からコミュニティバスで高遠駅、
高遠駅から路線バスで伊那市駅と乗り継ぎます。

逆算すると、北沢峠をPM1:10に出るバスに乗らないと間に合いません。
それでも伊那市駅での乗り継ぎは20分弱なので、渋滞してたらアウトです。
そんな訳で、PM1:10のバスに乗る事を最低条件に、出来るだけの早出です。

AM2:45起床。
朝食は前日のラーメンの残り汁にアルファ米を入れて戻した物ですが、
とてつもなく不味い・・・。
AM3:30出発。



ヘッドライトを点け、真っ暗な道を登って行きます。
ちなみに、ほぼコースタイムが同じ仙丈ケ岳甲斐駒ケ岳ですが、
この日に仙丈ケ岳を持って来たのは、
真っ暗で歩くなら仙丈ケ岳の方が安全と考えたから。



3合目。まだ真っ暗。



1時間以上歩き、ようやく明るくなって来ました。



甲斐駒ケ岳と栗沢山の間から登る朝日。
その向こうは八ヶ岳でしょうか?



明るくなったらこっちの物。
ガンガン登って行きます。



まず目指す小仙丈ケ岳が見えて来ました。



仙丈ケ岳到着。
北岳・富士山もバッチリ。



向こうに見える仙丈ケ岳へ向けて出発。



綺麗なカールです。



雲海の向こうに僅かに見えるのは、乗鞍・穂高・槍。
右の方に立山・剣が見えてるのかは分かりませんね。



もうすぐ山頂。



AM6:30最後のピーク、仙丈ケ岳登頂。
標高3032mで、日本で17番目に高い山。



今回最後にして、ようやく山頂からの展望を拝む事が出来ました。
北岳越しに見える富士山は良いですねぇ。



数分写真を撮ったり眺めていたら、一気にガスが覆って来ました。
山頂でコーヒーをと思っていましたが、強風で寒いし下の小屋まで移動。



コーヒーを淹れてる間に、目の前の山頂も見えないくらいのガスに覆われました。
危ない危ない、タッチの差だった・・・。

コーヒーで温まったら下山して行きます。
ここで時間を確認すると、予定より2時間近く早い。

・・・これはもしや、一本前の林道バスに間に合うんじゃ・・・?

調べると、北沢峠から出る一本前のバスはAM10:00発。
ギリギリですが、間に合うかもしれない。
と言う訳で、ここからは前日とは打って変わってハイペース下山です。
最終日だし、ちょっとくらい脚が痛くなってもいいや。
トレラン並みのペースで、AM9:00下山。(予定では11:00)
無常にも雨が落ちて来ましたが、テント場に戻って急いでパッキングし、
カッパを着てAM9:30にバス停到着。
既に人で一杯でしたが、乗り切れなければ増便するとの事なので、
ここでようやく一息付けました。
AM10:00林道バスで北沢峠を離れます。



さらば南アルプス。また来るよ。

小一時間走り、仙流荘到着。



すぐに乗り継げるバスもあったのですが、もう急ぐ必要はありません。
2時間後の次のバスまで、ゆっくり温泉で汗を流します。



温泉から上がり、登山中我慢していたコーラを堪能。



時間があったので、ついでに昼食も。
伊那名物のローメンを堪能。
ここからバスを乗り継ぎ、伊那市駅前で時間を潰し、高速バスと電車で帰宅。

4泊5日の縦走でしたが、たっぷり堪能出来ました。
一昨年の北アルプスと同じ日程ですが、夜行バス移動と厳しい山も多かったので、
今回の方が体力的にもきつかったと思います。
南アルプスは結局毎日何処かで雨が降っていて、
これが自然豊かだったり、天然水が豊富だったりする理由なのかもしれません。

今回、南アルプスと言っても、行きやすい北部しか歩けていません。
三峰岳以南の塩見岳方面は、更にアクセスが悪く、中々敷居の高い山々ですが、
いつか登れたらなと思います。

それにしても、大阪付近で少し電車に乗っただけで、ほぼバスの旅だったなぁ。