2015北アルプス・穂高登山~前穂高岳。

2015年の北アルプス穂高登山の記事もラスト。

2015年9月23日。
この日は下山予定を変更して、
涸沢から奥穂高岳を経由して前穂高岳までのピストン。

今回最難関で最長距離なので、荷物は極限まで減らします。
雨具と厳選したエマージェンシーキット、
穂高山荘以降は全く水場は無いので、水はハイドレーションに満タンの1.8L。
それにサーモス満タン500mLのお湯。
行動食はたっぷり、もしもの時の為にすぐ出来るパスタ。
これにヘルメットとヘッドランプで。

AM3:15起床。AM4:00出発。
前々日と同じようにまずは穂高山荘に向かいます。
ところが前回は先行者がいた為、暗くても後に続いて登れたのですが、
今回は前に誰もいなく、ガレ場でルートをロストしてしまいました。
真っ暗な中でヘッドランプだけだと岩の丸印が見え難いんです。
これで10分ほど時間をロスしましたが、何とかルート復帰。



まだ暗いうちにザイテングラードに取り付きます。



暫く登ると、ようやくヘッドランプが無くても歩けるようになりました。



AM5:30穂高山荘に到着。
荷物を減らしたおかげで、涸沢から1時間半で登りました。
山荘の前には御来光待ちの人で一杯。



御来光のおかげで奥穂高岳への取り付きが空いています。
チャンスなのですぐ登り始めました。
ハシゴ・鎖場を過ぎれば、もう混み合う事はありません。
後ろを振り返ると、御来光を見終わった人達で渋滞していました。
危ない危ない、5分の差でした。



雲海とジャンダルム。



2度目の奥穂高岳山頂での記念撮影。
ここで一旦休憩。





この先が吊り尾根と言う難関ルートの始まりです。
ガイドマップによっては、初心者の単独での歩行を止めるように書いてあります。
そのルートは・・・・、



こんな所だ!

逆光で若干怖さが消えちゃってますが、道がほぼ見えません。
一瞬足がすくんで行くのを止めようかと思いましたが、
私の前に同様に軽装の人が歩いていたので、とにかく行けるだけ行ってみる事に。



ああ、ここ下りるのね・・・。



行く先の道が見えず!
そして断崖絶壁!



でも、このようにちゃんと道はあります。
まぁ写真を撮る余裕のある場所での話ですが・・・。
躓いたら数百m滑落ですねぇ・・・。



やっぱり遠くの道は全く見えず!



慎重に歩き、前穂高岳の取り付きの紀美子平に到着。
ここまでは断崖絶壁を横方向に、ほぼ高低差の無い道でしたが、
この先歩くのは・・・、



真上だ!

丸い印を辿って行きます。
そのルート以外は滑落や落石の可能性があるので、大変危険です。



紀美子平で居合わせた方に先に上ってもらいます。
ですが速過ぎて着いて行けません。
しっかり3点確保で登るのですが、
一度次のホールドが無く、一瞬パニックになりました。



それでも無事に前穂高岳山頂に登頂。
夜明けの頃は雲が多かったのですが、この時間はしっかり槍ヶ岳まで見えます。



素晴らしい絶景でした。



前穂高岳の山頂は、ガレガレの岩ですが、結構広いです。
持参したお湯でコーヒーを作って堪能。

北穂・奥穂・涸沢岳・前穂と登りましたが、達成感はここがダントツです。
他の山頂はかなり観光登山になっていますが、ここは全然違います。
前穂高岳山頂に立つには、ある程度の危険と覚悟が要ります。
予定を変更して挑戦して、本当に良かったと思いました。

さて、下山して行きます。
実は登りがかなり怖かったので、下りはビクビクでしたが、
案外簡単に下りられました。
紀美子平からは、来た道を戻ります。



はいはい。ここ越えるのね。



はいはい。登りますよ。
何かもう慣れました。
途中で暑くなり、断崖絶壁の広い所で服を脱いで休憩してましたし。
でも再び奥穂高岳に戻る頃には、完全にエネルギー切れ。
山頂でたっぷり行動食を食べてエネルギー補給。



ついでに3回目の奥穂で記念撮影。
撮影をお願いしたら、中々面白いアングルでした。



下りはあまり人もいなかったので、安心して下りられました。



涸沢は紅葉が綺麗で有名ですが、今回は少し早かったようです。



正午に下山。
う~ん、涸沢のテント場は人が減って段々寂しくなって来たなぁ・・・。



下山したら、ビール!
前日に上高地に下山する人が、呑み切れなかったからと分けてくれました。
前日から雪渓で冷やしておいたので、キンキンに冷えてて美味し!
ただ昼間っから結構酷く酔っ払いましたが・・・。
夕方までのんびりして、翌日の下山の準備をして就寝。

2015年9月24日。
AM3:00起床。
この日はテントを撤収して上高地まで下り、
PM2:20の大阪行きのバスに乗ります。
それだけならこんな早起きしなくてもいいのですが、帰る前に風呂に入りたい!
上高地には日帰り入浴が出来る所が数件ありますが、
バスの時間までにとなると、アルペンホテルしかありません。
そこの午前中の入浴受付けはAM10:00まで。
その為急いでの撤収となりました。

朝食を食べてテントを撤収して出発。
まだ真っ暗な中、ヘッドランプを点けて歩きます。



途中で夜が明けましたが、どんより曇り空。
どうやら雨予報の様子。

横尾~徳沢~明神と歩き、AM8:30に上高地に到着。



アルペンホテルの入浴時間に間に合いました。
5日分の汚れを落とし、さっぱりしました。
その後、ホテルのロビーでコーヒーを堪能。
河童橋やバスターミナルを散策しますが、途中から雨に。
バスターミナルの屋根の下で数時間待ち、ようやくバスへ。

帰りのバスはリッチに3列シートのグリーンカーを予約。
車内はガラガラだったのでリクライニングし放題だったのですが、
後部の座席だったので、寝てると揺れで気持ち悪くなって来たので、
結局大阪まで景色を見て過ごしました。
新大阪でバスを下り、電車・徒歩でPM9:30帰宅。


今回の北アルプスは本当に晴天に恵まれました。
私がツーリング・旅行・登山で長期で出掛けると、決まって酷い雨に遭うのですが、
今回はそれが全くありませんでした。

いつか登りたいと思っていた穂高に、
しかも今回は無理と思っていた前穂高岳にも登れたのは、
本当に天気にも助けられたと思っています。

昨年にも北アルプスには行っているのですが、
天気の悪かった燕岳~大天井岳だけだったので、
大っぴらに行ったとは言えませんでした。
ですが今回、北アルプスの絶景を連日登って見たので、
これで胸を張って北アルプスを登って来たと言えます。





またいつか!