バイク用プロテクター考察。

ここ数年は、雑誌などの影響もあり、
バイクに乗るのにプロテクターを着けるのが、浸透して来たかなと感じます。
10年20年前は、本当にほとんどプロテクターは無かったのですから。

さて、私とバイクで走った事のある人は、
私が普段からプロテクターを着けてるのはご存知でしょう。
ですが、それも少し前はあまりにもチープな物でした。



これが以前持っていたプロテクター類。
左下のチェストは公道で使用していたのですが、
あまりにも貧弱で無いよりはマシ程度の物でした。
右のバック(脊髄)はコミネなのでしっかりしてるのですが、
エストベルトが固いのと、若干長さが短いのが気になってました。
左上のチェストはRSタイチのもので、サーキット専用で使っていた一級品。
ですがこれは紐が無い為に、普通のジャケットでは使えませんでした。

これらのプロテクター類を一新したいと考え、数年前から探していました。
当初はベストタイプの硬質プロテクターを予定していましたが、
色々調べて、考え直しました。


日本ではプロテクターに安全基準がありません。
その為はっきり言ってただのスポンジが、
プロテクターとして付いてる事もあります。
その点ヨーロッパにはCE規格と言う安全基準が合って、
厳正に審査されています。

こちらのサイトで分かりやすく説明されてます。


つまり、プロテクターに重りを落として、その衝撃をどれ位吸収するか調べて、
どの規格をクリアーしてるか審査しています。
このCE規格を通してあるプロテクターは、まだ日本メーカーには少ないです。
これがすべてとは言いませんが、客観的な基準にはなるでしょう。
また、CE規格を通ってさえいれば良いと言うのではなく、
重要なのはどの基準をどのくらいの数値でクリアーしてるかと言う点。

さて、色々調べてたどり着いたのが、フォースフィールドと言うメーカー。


実は数年前にお店で試着して、かなり硬かったので断念したメーカーです。


ですがこのように安全基準を明確にしてある、数少ないメーカーでもあります。
フォースフィールドは取り扱い店舗は少ないのですが、
運よく日本代理店の社長さんにお話を伺う機会がありました。
その際、メーカーの考え方や素材に対する拘り、安全基準の見方、
サイズ選択や取り付け方法などを聞き、納得して購入を決めました。

店頭にすべては無かったので、一部ネットで注文。



購入したのは、
レースライト・チェストプロテクター Sサイズ
バックプロテクター Pro L2K Mサイズ
アップグレードアーマー 肩・肘用
の3点。





チェスト・バック共にユニトレックスと言う素材を何層も重ねています。
従来のゴムよりも反発のかなり少ないユニトレックスを三角形に整形しています。



厚さはかなりあり、冷えた状態だと意外と硬いのですが、
着用してしばらくすると、体温で暖められて柔らかくなり、
体にぴったりフィットします。

このプロテクターの特徴ですが、
まずはバックプロテクター。
バックプロテクター独自のより厳しいEN1621-2Lever-2と言う基準を、
通常9kNでクリアーの数値を大きく下回る5.6kNでクリアーしています。
これを超えるバックプロテクターは、同社のPro Sub4だけでしょう。

チェストプロテクターは通常EN1621-1と言う、
バックプロテクターよりも緩い基準で審査するのですが、
このチェストプロテクターはより基準の厳しいバックプロテクター用の、
EN1621-2で審査し、そのLever-1を通っています。
こんなチェストプロテクターは他にありません。



アップグレードアーマーは、従来の肘・肩の物と入れ替えるタイプです。
見ての通り、HYODのプロテクターでさえ、
ただの薄い発砲スチロールのような物です。
これらをより安全性の高いフォースフィールドの物に入れ替えました。



このアップグレードアーマーは、EN1621-1を通ってるだけでなく、
その基準の倍の重みでもクリアーした逸品です。

ではチェスト&バックプロテクターを装着してみます。



ご覧の通り、腰骨辺りまで長さがあり、私の望んだ長さです。
ただし、長いのでジャケットからははみ出してしまいますが。



チェストはこんな感じ。



よく広告にこんな写真がありますが、これ実は間違ってます。
と言うのも、まず取り付け位置が下過ぎます。
これはお腹にまで掛かってますが、本来はもっと胸の上につけるべきです。
更に、サイズが大き過ぎます。
私のを見てもらえれば分かりますが、これがベストなサイズです。
これは代理店の社長さんも仰ってた事で、私のサイズでピッタリだそうです。
社長さん曰く、よく大きめのサイズを買ってしまいがちだそうです。

ちなみに、チェストプロテクターには、
バックプロテクターと連結するハーネスが入っていまが、
これは使わない方が良いでしょう。
と言うのも、本来のサイズで購入すると、
チェスト部分の取り付け位置がかなり下になります。
そのまま取り付けすると、チェストが固定出来ずに落ちてしまいます。
私の取り付け画像のように、
バックを付けてからチェストを単体で付けるのが良いでしょう。

フォースフィールドは安全基準を数値で示している、数少ないメーカーです。
他のメーカーの物が駄目だとは言いませんが、
このメーカーを超える物は無いと思っています。

ただし、夏場は本当に暑いです!




おまけ。

みなさん、バックプロテクターを付けてツナギを着る際、
プロテクターが引っかかって上にズレたりしませんか?
私は毎回ズレて、位置を修正出来ずに悩んでいました。
そこで、良い方法を思い付きました。



まず、バックプロテクターのウエスト部分に、紐を取り付けます。
これは100均で買った、デジカメなどのストラップの紐です。
これを両側に付けて、ツナギを着る際にここに足を通します。



そしてそのまま装着すると、プロテクターが下に引っ張られてズレ上がりません。
このままツナギを着ると、あの不快なプロテクターのズレが解消されます。
ポイントは装着した状態で紐に遊びが無いように調整する事。

プロテクターのズレで悩んでる方、是非お試しあれ。