チェーン掃除方法。

春を前に、愛車のメンテナンスを考えている人も多いでしょう。
そこで、今回はドライブチェーンの掃除方法を紹介したいと思います。
 
それも、日頃から正しい方法でメンテナンスをしてる人ではなく、
メンテナンスの方法も知らず、まったくした事も無く、
掃除もしないで、上からルブを足してるだけの人の為に。
 
まず、用意するのは、こんな感じ。
 

 
チェーンクリーナー、キャノーラ油、ウエス、ブラシ、
使い古した歯ブラシ、ゴム手袋。
 
今回のキモとなるのは、キャノーラ油(サラダ油)です。
 

 
何処の家庭の台所にもあるでしょう。
 
まず、正しいチェーンの掃除方法とは、
汚れたチェーンにチェーンクリーナーを吹きつけ、ブラシでこする。
それを繰り返し、ウエスで拭き取る。
こんな感じです。
 
ですが、これをご覧下さい。
 

 
すみません。ネットで拝借した画像です。
 
ここまでチェーンがギトギトになると、クリーナーではそう簡単に落とせません。
 
そこで、キャノーラ油の出番。
まずは、20~30cmの範囲に、たっぷりキャノーラ油を垂らします。
キャノーラ油は、小さい容器に小分けするといいでしょう。
 

 
ちなみに、掃除のモデルは、普段からメンテナンスをしている私のFZ1
その為、本来この方法が必要ではないくらいの汚れですが、
作業のイメージと考えて下さい。
 
キャノーラ油をたっぷり垂らしたら、歯ブラシでこすります。
 
注:チェーンの下が濡れてますが、これは雨水です。
  こんなになるまでは、注油しなくて大丈夫。
 

 
上下表裏全部。
歯ブラシの入らないローラー部分は、
100均などで売ってる隙間ブラシでゴシゴシ。
 

 
一通り終わったら、ウエスで拭き取ります。
これで汚かった油汚れは、かなり落ちているでしょう。
油汚れが残ってるようなら、再びキャノーラ油を掛けてゴシゴシ。
汚れが粗方落ちたら、ここでようやくチェーンクリーナーの出番。
 

 
これは普通に吹き掛けて、ウエスで拭き取ります。
チェーンに元々あった汚れと共に、キャノーラ油を洗い流します。
 

 
これでここまで油汚れは落ちていると思います。
ここまで終わったら、一旦バイクを数km走らせます。
これで残りのキャノーラ油も飛んで行くでしょう。
最後に浮いて来た油分をウエスで拭き取ったら、終了。
後はチェーンルブを注油するだけ。
 
どうですか?この方法。
考え方としては、こうです。
 
チェーンクリーナーを最初から使うと、歯ブラシがすぐにコテコテになります。
その度にクリーナーを使うので、
一回の掃除で大缶のクリーナーを使い切ってしまうでしょう。
 
キャノーラ油をギトギトのチェーンに垂らすと、チェーンの汚れが柔らかくなります。
その状態でブラシでこすると、簡単に油汚れが落ちます。
 
つまり、机に書いたマジックの汚れを、
上からマジックでなぞって拭き取る、ようなもの。
 
似たような方法に、オフ車乗りにはお馴染みの、灯油で洗う方法がありますが、
灯油だとシールチェーンの場合、Oリングを痛める可能性があります。
その点、食用油なら攻撃性も低いでしょう。
また、4サイクルオイルなどを使ってもいいのですが、
出来るだけ柔らかい物の方が、後々の作業性がいいので、
キャノーラ油を使っています。
 
紹介した方法は、かなり変わったやり方かもしれませんが、
私自身が何度も試して、不具合などはありません。
これを一度やって、定期的なメンテナンスをすれば、
再びこの掃除をする必要は無いでしょう。
 
ただし、チェーンがこの状態になっている時、
チェーンが錆だらけになっている場合があります。
この方法では、汚れは落とせても、錆は落とせませんので、
早期にチェーン交換した方がいいでしょう。
 
 
さて、チェーンルブは人それぞれ拘りがあるかもしれないので、
思い思いの商品を使えばいいでしょう。
 
ただ、折角綺麗になったのだから、これを維持したいと思うのが、人の性。
 
そんな人にお勧めなのが、私の使っているチェーンルブ。
 

 
WURTH HHS DRYLUBE と言う物。
 
このルブの特徴は、飛散しにくく、クリアーで、メンテナンスが楽な事。
 

 
使用方法は、いたって普通。
掃除したチェーンに、適量吹き付けるだけ。
 

 
吹き付けた状態が、これ。
ルブがほとんど見えないでしょう?
カラーチェーンの人には、もってこい。
 
このルブは以前にも紹介しましたが、すばらしいです。
 
 
飛散はしませんし、掃除もクリーナーで簡単に洗い流せます。
吹き付けた後も、ベタッとせずに、さらっとしています。
その為、ホコリ等も付かず、汚れにくいのです。
このルブを使っている以上、上のような掃除をする事はないでしょう。
 
もちろん、良い事ばかりではありません。
まず、耐久性が少し低く感じます。
300km程度の日帰りツーリングなら大丈夫ですが、
500km以上や泊まりツーリングの場合、持参した方がいいでしょう。
私も昨年の北海道ツーリングの時には持参し、
毎朝注油するのが日課になっていました。
雨にも強くないようです。
雨天走行後のメンテナンスは、しっかりやりましょう。
 
また、ほとんど店頭では売っていません。
ネットでの注文となるでしょう。
 
金額も、安い他の商品に比べると、倍くらいします。
 
ですが、メンテナンスが非常に楽な事を考えると、
面倒な作業をしなくていいのなら、この金額を出す価値はあります。
 
私もいくつかのチェーンルブを試して来ましたが、
使い切って同じ物を購入したのは、これだけです。
 
チェーンルブに悩んでる方、一度お試し下さい。