「神戸在住」

私が、長年愛読している月間漫画雑誌に、とても気に入っている漫画がありました。

その作品は、残念ながら2年程前に、連載を終了してしまったのですが、

その作品の、単行本最終巻が最近発売されまして、ようやく手にすることが出来ました。

その作品は、木村紺 著 「神戸在住」 です。




この作品は、関東出身の女子大学生・辰木桂を通して描く、神戸の日常の物語です。

桂の友人・家族・知り合った人々・そして震災。

前巻では、桂の憧れていた人が亡くなったり、しんみりする中にも、癒される面もある、良い作品です。

他の作品とどこか違うのは、震災によって皆が深い傷を追った過去があるからでしょうか。

主人公・桂は、震災後に神戸に越して来たので、皆と痛みを共有出来ない葛藤などもあります。

最終巻では、桂が大学を卒業・就職し、新しい日常が始まる所まで描かれています。


技術的な事を言いますと、この木村紺さん(男性か女性か不明)絵自体は、さほど技術を持った方ではありません。

ですが、スクリーントーンをほとんど使用しない、すっきりしたタッチはとても読みやすく、

何より、すばらしい感性を持った方だと感じます。


作品の空気感は、昔ラジオでやっていた「バール・サンドリオン」KISS FM に近いと思います。


よかったら、皆さんもいかがですか?