小噺 異音の怪


チキチンチキチン、ドンドン、パフ!

ピシャ!え~、ここらで一つ、くだらない噺を。

時は現在、所は関西。

ある一人の男がおりまして、その男先日10年連れ添ったぺけじぇい子(XJR1200)

と別れまして、今はふぇざ公(FZ1 FAZER)と言う者とつるんでいるとか。

このふぇざ公、えらくその男を気に入っておりまして、「だんな、だんな」と

男を呼ぶほどの熱の入れようでございます。

しかし、この2人、ある事でひどく悩んでいるとかいないとか。


だんな「おう!ふぇざ公。今日もえらく調子良いじゃねぇか!」

ふぁざ公「もちろんですぜ!こちとら、走りたっくって走りたっくって、うずうずしてやがんです。

     半端なことじゃぁ、振り落としますぜ!」

だ「おう!言うじゃねぇか!さすが馬150頭ぶんの仕事をするって言うだけあって、

  気合の入り方が、他の奴たぁ違うぜ!」

ふぇ「だんな!くだりの山道ですぜ!」

だ「おうよ!」

ガチャガチャガチャ!!

ふぇ「!?なんです?今の音!」

だ「あん?さあなぁ。」

その男、すぐにふぇざ公を停めて調べたそうな。

だ「とくに異常はねぇがな。」

ふぇ「おいらの体の『ぼると』が外れかかってやしませんかい?」

だ「・・いや、とくにねぇな。」

ふぇ「気のせいですかね。」

ところが、その後もその音は鳴り止むことはなっかたそうな。

だ「こいつぁ~、一度お前さんを仕入れた馬屋に行って確かめた方がいいな!」


だ「こんにちは、毎度!」

YSP店員「いらっしゃいませ!お久しぶり。どうされました?」

だ「実は、FZ1何かへんなガチャガチャ音がするんですけど・・。」

Y「ちょっと乗ってみますね。・・・・特に気にならなかったですけど。

  ボルトの緩みもありませんね。」

だ「それなら、気のせいですね。ありがとうございました。」


だ「おう!ふぇざ公。特に異常はねぇってよ。」

ふぇ「なら一安心ですぜ!ところでだんな。あっしにこれを付けるんで?」

だ「おうよ!こいつぁ『憂慧栖 吉村』って舶来物の一品よ。こいつを付けたら

  お前さん、誰もが振り向く色男になるって寸法よ!」

ふぇ「そいつぁ、楽しみですぜ!」

その男、早速その舶来物を付けたとか。

だ「どうよ!この音!えぇっ!?」

ふぇ「すげえです!力があふれ出てきやす!ところで、だんな。まだガチャっと鳴ってやがりますぜ?」

だ「気にすんじゃねぇよ!大丈夫って言ってたろ?どうせ、音でかくて、聞こえやしねぇよ!」

そのガチャガチャ音は、その後も続いたそうな。


10月。

ふぇ「だんな!お勤めご苦労様でした!」

だ「・・おう。ふぇざ公、久しぶりだな。首掻き切って腫瘍とやらを取っちまったからよ。

  また、2人で暴れまわろうぜ!」

ふぇ「・・だんな!」


2月。ガチャガチャ音は、カチャカチャ音に変わっていたと。

だ「おう!見てみろ、ふぇざ公。あれが『関空』ってやつだぜ。」

ふぇ「こりゃぁ、えらく綺麗な所ですな。・・いいんですかい?あっしなんかと一緒で?」

だ「何言ってやがる!お前さんと来ないで、誰と来るってんだい。」

ふぇ「・・だんな!・・乗ってくだせぇ!飛ばしやすぜ!」

だ「おう!まだまだ走り足んねぇぜ!」

カチャ!

ふぇ「・・?今、音鳴りやしたかい?」

だ「・・おう。何かカチャっつうたな。」

ふぇ「あっし、まだ始動してやしませんぜ?」

だ「変だなぁ。」

ここで、ふぇざ公、あることに気がつきました。

ふぇ「・・・・・・・だんな、ちょっとあっしに跨って下せぇ。」

だ「あん?」

ふぇ「・・跨ったら、ナニする時みてぇに、腰振って下せぇ。」

だ「おい!ふぇざ公。いくらご無沙汰だってぇも、お前さんとねんごろになる気はねぇよ!」

ふぇ「・・いいから、お願いしやす。」

カチャカチャカチャ!

だ「おう!えらく鳴りだしたじゃねぇか!どうしちまったってんだい?」

ふぇ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ・・だんな、その服の飾りもん、あっしの背中に当ててみて下せぇ・・。」

だ「あん?どれ・・・・・・お!カチャカチャ言うじゃねぇか!

  ・・はは~ん。するってぇと、なにか?カチャカチャ鳴ってやがったのは、こいつか?

  この服の飾りもんが、お前さんの背中の『たんくぱっど』に当たってやがったのか?」

ふぇ「・・・・・・・・・・・・・・。」

だ「なにか?夏場ぁガチャガチャ言ってたのぁ、金属製のもんが当たってて、

  冬場ぁ当らねぇ形になってやがるかわりに、飾り『ぼたん』が当たってやがったのか?」

ふぇ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

だ「それで、夏場と冬場、音が違ってやがったんだな。

  おう!喜べ、ふぇざ公!無事解決だぜ!!」

ふぇ「うるせえ!バカ野郎!!!脱ぎやがれ!!!!! 」



・・・え~、お後は大変よろしくないようで。