チェーンアイゼン。

先日の愛宕山と六甲山で使ったチェーンアイゼン。
まずは手持ちのアイゼンをおさらい。



買った順に左から、4本爪・6本爪・10本爪・チェーンアイゼン。
これら全て、軽アイゼン・簡易アイゼンと呼ばれる物。
所謂本気の冬山用ではなくて、あくまで雪の少ない低山や、
高い山でも夏の雪渓に使われる物です。



まず一番最初に買った、マウンテンダックスの4本爪。
これは初めて登山靴を買った際に、冬の六甲で必要と言われ、
勧められるがままに買った物。
ですが見ての通り、土踏まずだけの爪の為、非常に歩きにくく、
爪先にも踵にも爪は無いので、有効範囲が狭く、使いにくい事この上ない。
一度六甲で使ったっきり、そのままお蔵入りです。



次に買った、エキスパートオブジャパンの6本爪・卍。
4本爪の反省を踏まえ、オーソドックスな6本爪。
これは本気のアイゼンと同じクロモリで爪も長く、
凍った道にもしっかり爪が刺さります。
おそらく軽アイゼンとしては最強。
ただ爪先には爪が無いので、急登には厳しい。
あと、赤いスノープレートは結構脆い。



次に買った、オクトスの10本爪アイゼン。
前歯が欲しくて、しっかり爪先から飛び出すタイプを選択。
形こそ本気のアイゼンですが、爪の素材が弱い為、これでも軽アイゼンです。
確かに凍った道に対しての刺さり具合は、EXPの6本爪に遠く及ばない。
使いこなせればそこそこ面白いアイテムでしたが、
靴のソールを換えたらサイズが合わなくなってずれて来る為、
残念ながらお蔵入りになりそうです。



最後に、最近買ったオクトスのチェーンアイゼン。
これは昨年の三峰山登山で、アイゼンが外れて苦労して下山してた時に、
軽快な足取りで降りて行く人たちを見掛けました。
彼らの足にはチェーンアイゼンが履いてあり、
このシュチュエーションにはこれが合っていると思い、
この冬に導入しようと決めていたのです。
と言うか、私が冬に登れる山では、チェーンアイゼンで十分。
こんな前歯のあるアイゼンなんて、素人には危ないだけです。

チェーンアイゼンはネットで調べるとかなりの種類がありますが、
一応ちゃんとしたメーカー品を。



モンベルのチェーンアイゼンはユーザーも多いのですが、
個人的にはもうちょっと爪の数と長さが欲しい所。



ならば評判の良い、カンプのアイスマスターかな?
ですがこれはちょっと爪がゴツ過ぎる。
EXPの6本爪よりライトに使えるのを探しているので、一旦保留。



で結局買ったのはオクトスのチェーンアイゼン。



ゴム(エラストマー)で靴に簡単に取り付け出来、
外れ防止に、前側に2本のバックルが付いています。



爪の長さも、6本爪と比べるとご覧の通り短め。





爪は短いですが、爪先付近まで爪があり、有効範囲はむしろ広い。

これを使って歩いてみましたが、かなり良い感じでした。
6本爪だと硬いプレートを付けて歩いている事になるので、
足は真っ直ぐ上げて真っ直ぐ降ろす、フラットフィッティングが必要になりますが、
チェーンアイゼンはプレートをチェーンで繋いであるだけで可動するので、
フラットフィッティングを意識しなくても普通に歩けます。
また2本のバックルは安心感があります。
それに6本爪より軽い。



かなり快適に使えますが、ちょっとした欠点も。
まずこの安心感のあるバックルは、長所であり短所でもある。
バックルを外したままで靴に取り付けるのですが、
焦るとそれを巻き込みそうで、取り付けに慎重になる。
その為、バックルの無いモンベルのチェーンアイゼンに比べると、
装着に若干時間が掛かる。
また、バックルは前には有効ですが、後ろには効かない。
踵のプレートで凍った道にガッツリ刺さると、足を上げた時に少しずれる。
これを何度も繰り返すと、踵から外れてしまいそうになります。
これはチェーンアイゼンの宿命だと思うので、
時折踵のゴムを引っ張り上げると良いでしょう。
踵にコバの付いた靴なら、そうなり難いかもしれません。

ネガな部分はありますが、かなり使い勝手が良くて気に入りました。
価格もアイスマスターの半額ほどだったので、良い買い物でした。
耐久性はそれ程高く無いでしょうから、2~3年持てば良いかなと思います。
それにしてもあまりに歩くのが楽な為、
6本爪の出番がほとんど無くなりそうです。